この作品は18歳未満閲覧禁止です
SOS
第1章 邂逅と訣別
恐怖で震える身体を必死に抑えながら、おそるおそる部屋の中へと足を踏み入れた。
「ふっ、ずいぶんと長便所だったな。待ちくたびれたぞ」
全身黒のマントのような衣装を身に纏い、不気味な笑みをこちらに向ける大男────
木崎はその男が発する異様なオーラに息を呑んだ。
印象的なのは、男の髪と、瞳だった。
腰まで伸びている女人のような漆黒の髪。
そして片方だけ露わになっている瞳は、まるで血のような赤────
「木崎慎太郎────お前の望みを叶えてやる」