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第4章 絶対安静

｢篠宮さん…お一人で暮らしてらっしゃるんですか？｣

土鍋を取り出している時に彼女に声を掛けられた。

｢ええ、独身で実家暮らしだったのですが、兄の結婚、同居を機に一人暮らしを始めたんです。｣

シンク下に頭を突っ込んで探っていたから、彼女がどんな表情でいて、質問した割に何故なにも反応がないのかわからなかった。

しかしやむを得ない事情とはいえ、一人暮らしの男の家に、女性を、しかも弱っている女性を入れるなんて、やはり非常識だったな。

この時になって、そんなことに気が回った。