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痴漢野郎 スペシャル
第6章 悪夢のエレベーター
こうして、久しぶりに顔を見る事もできた訳だし、
俺も、彼女にたっぷり再会の挨拶をしてやる事に決めたのだった。

彼女の方は、そばに俺がいたと言うのに、まるで気が付いていなかったようである。

彼女は、まっすぐ自分のマンションの中へと入っていった。

俺たちも、急いで、そのあとを追ったのだった。

彼女は、一人でエレベーターに乗り、上階へと上がろうとしていた。

俺たちは、機敏にそのエレベーターに走り寄ると、
上昇寸前だったエレベーターを、外のパネルのボタンを押してストップさせ、再びドアを開けた。

そのまま、俺たちは、エレベーターの中へ、ぞろぞろと乗り込んだのである。

彼女も、この突然の同乗者たちに、さぞ驚いた事であろう。

何しろ、俺たちは皆、同じようないでたちをしていて、
サングラスで目を隠し、大きな白いマスクで口元を覆っていたからだ。

その中の一人が、まさか馴染みの深い俺だったとは、
彼女には、ますます分からなかったに違いあるまい。

彼女は、昔のままの、素朴な、起伏の乏しい表情をしていた。

髪はギリギリ肩にかかる長さのセミロングだ。

純白のブラウスの上には、薄紫色のブレザーを羽織っている。
スカートも膝近くまである長めのものを履いていて、
すっかり、OL生活が板についていたみたいだった。

俺たちは、そんな彼女の周りにグルリと立った。

逆に、彼女は、俺たちに取り囲まれた状態で、
エレベーター内の中央に立つ形になったのである。
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