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キス・イン・ザ・ダーク
第1章 キス・イン・ザ・ダーク
「君が癒されたなら、よかったけど……」
「さぁ? どうでしょう」
あたし達は互いに背を向けながら、ベッドに横になった。
こんな時間になると、さすがに夜の光も一つ二つと消えていっている。
「癒されてるはずさ。だって君、好きだっただろう? 僕に抱かれるのが」
「どの口が言ってんのよ……!!」
あたしは思わず体を起こして、男の背中を見下ろした。
「あんたがあたしを裏切ったんじゃない!! あんたがコロッと美歌に絆されて、なし崩しで抱いて!! なのにまるで意に介さず飄々として!! あたしがどれだけ……傷ついたか……」
あたしは競り上がってくる感情を、男の背中にぶつけた。
けれどその背中はまるで動じてる様子はない。
「付き合う前に言っただろう? 求められたら拒めないって」
「だけど……だけど……!!」
その時、男が寝返りを打ってあたしと向き合った。
白いシーツに沈む男は、ひどく艶やかに見える。
「だけど君はそんな僕を求めた。もう僕なしじゃ生きていけないから。そんな僕だからこそ、君は自分自身を満たすことができた。違うかい?」
あぁ、もう。
惚れた弱味だ。
なんでこんな男に惚れてしまったのだろう。
だからあたしは、今はもうこの瞳を閉じるしかできないのだ。
目を閉じれば、何も見なくて済むのだから。
何も見なければ、もうあたしは傷つくことはないのだ。
瞳を閉じたあたしの頬に、男はその掌を添えると自分の顔に寄せた。
暗闇の中のキスは、悲しいかな、とてつもなく甘かった。


-END-
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