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ビスカスくんの下ネタ日記(くすくす姫後日談サイドストーリー)
第7章 火中の栗には気をつけましょう
●月●日


今日お嬢様は、栗拾いをなさる。
栗、拾、い、だ。クリヒロイ。
ウチのお嬢様と、栗拾い。
こんなに似合わねぇ単語が有るだろうか。
まだ少女らしくてお可愛らしかった時以来じゃねぇのか、栗拾い。
いや、今もお可愛らしいんですぜ?決してお可愛らし気が無
「ビスカス」
俺の独白は、ぶった切られた。

「へい?」
「笑いなさいよ」
「へ?」
現在俺らはサクナ様のお屋敷ん中の道を、のんびり歩いている。
栗拾いはお屋敷の敷地の中で行われるからだ。

本来、もう栗の季節も終わりなんだが、ウサギ姫様にこの地に親しんで欲しいと、新しく雇われた女の使用人達が言い出したみてぇだな。
春ならイチゴやら、もう少し浅い秋ならキノコやら、もっと拾ったり摘み取ったりして楽しそうなもんが有るんでしょうが、こう秋も深まっちゃあねー。
栗の名残か、地味ーなキノコくれぇしか、そういう楽しみは無え。
それでもウサギ姫様は喜んでいらした様で、ウキウキしながら、お嬢様をお誘いなすった。
お嬢様はお断りになるかと思ったが、ころっと承諾なすった。最近、めっきりウサギに弱くなられたからねー。
ま、仲良しとも言うね。お嬢様はこういう気性なんで、お友達が少なくていらっしゃるからな。や、決して人好きしない性格とかじゃなくて、少数精鋭って奴ですぜ?
その精鋭に、ウサギ姫が加わりなすったんですなー。良い傾向だぁね。美しき哉。
…ところが楽しい筈のこの日に、お嬢様は今更栗拾いの煽りを食らって、俺に八つ当たりなさっている。
止めて欲しいが、これもお嬢様のお美しさ故だからね。美人の宿命だな。

「別に俺は今、ちっとも可笑しくありやせんぜー?」
「遠慮しなくとも構わないのよ?」
「お嬢様。何をおっしゃってるのか、皆目見当も付きやせんが」

俺は、何も言ってませんよ?
いい日和だなーとか思ってるだけですよ?
なのにお嬢様は、お一人で勝手に膨れ始めなさったねー。
…悪いもんでも食ったかねw
こういうお嬢様もまた良いもんだね。水晶の薔薇の膨れっ面。なかなか見られねーからね。

「ビスカス…」
「へえ、何ですかい」
「笑っても、良いのよ…」
「滅相も御座いやせん」
しつこいねー、このお嬢様は。
誰が躾けたんだよ?相当甘やかしたね……あ、俺かw
じゃあ、自分のケツは自分で拭かなきゃな。
俺はそろそろお嬢様のご機嫌を取っとく事にした。
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