この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
抱かれる日々
第6章 花言葉は"孤独"

ガガガガ....
西条家の門が開くと沢田さんが庭に居た
「その傷どうしたんですか?」
聞かなくても分かってるくせに。
あたしは一礼して通り過ぎる
「優美さん...」
そのまま裏庭まで行き、あたしの大好きな花に水をやる
唯一あたしが自由にやって良い事はこの花に水をあげる事だろう。
この時間が幸せだ。
「その花なに?」
後ろから声がしたから振り返るといつの間にか見た事のない1人の男性が居た
「エリカって名前の花です。」
「周りは薔薇なのにその花だけ何で抜かないんだ?」
「抜いたら消えてしまう...エリカの花言葉は"孤独"。
これを抜いてしまったらあたしも消えてしまう気がするから....」
あたしそっくりな花だ。
周りには薔薇のように棘がある人間ばかり..
そこに1人ぼっちのあたし。

