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愛おしいキミに極甘な林檎を
第38章 真実と愛のかたち



何もいらないと言うソラ先輩があっさりとお礼をもらうのは珍しい。


どんな方法を使って探し出したのか分からないけどお金はかかっただろう。


なにが、どのくらい欲しいのか私も気になって耳を傾ける。




「お金はいりません。俺じゃなくて風子さんのお願いを聞いてあげてください」


私……?



「今までお爺さんや跡継ぎのことでたくさん悩んだのは風子さんです。だからお爺さんが願いを叶えてあげなければならない人は風子さんなのではないでしょうか」


ソラ先輩……。



「やはりお主は気に食わないな。……風子よ、なにが欲しい?」


回ってきた我儘を言える権利。


自由になれればそれでよかったから祖父に求めている物はない。


でも我儘を言っていいのならひとつだけ思い浮かんでいる。


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