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愛おしいキミに極甘な林檎を
第44章 愛の結晶

「まあ……、あはは……」
今までどんな内容でも最後まで向き合っていたのに、話にならないと言って切り上げる姿は初めて見たからその点は驚いた。
「お見合いの話が出てからあんな感じなんです。元々、兄はお婆様とお爺様とはあまり仲が良くないもので……。あっ、年配の人が嫌いってわけではないですからね。母方の祖父母とはとても仲が良いですし」
「聞いたことがなかったから知らなかった……」
「やっぱり姉さんにもそうなんですね。こっちから聞かないと兄さんは自分のことを話してくれませんから……。でも姉さんのことは隠さずに話してくれていたんですよ」
「私のこと……?」
「はい。兄が大学二年生の時から付き合ってる人がいるって話は聞いてましたので。だからずーっと気になっていたんですよ。そしたら綺麗な人でびっくりしました」
大分前から私の存在を家族に話していたんだ。
先がどうなるのかも分からなかったあの頃から……。
「綺麗だなんてそんなことないから。……ひとつ気になるんだけど、塑羅緒さんがこっちの祖父母と仲が良くないって何かあったの?苦手なだけ?」

