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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去

笑顔で言うと颯太は鋭い目を少し大きく開けてから口元を綻ばせた。
「……遂に結婚するんだな。おまえらには早く結婚してもらいたかったから良かった」
そして見たことのない柔らかな笑みをする。
どこか安堵しているようにも見えて、他人の幸せを喜ぶ優しい一面もあったんだと初めて知った。
「逆なのかと思ってました。もしかして私に厳しい事を言っていたのは結婚を急かしていたんですね」
「あんなに幸せなところを見せつけられておいて別れさせようとするわけねえだろ。他の奴とお見合いさせられているって那砂さんから聞いて、風子が塑羅緒と結婚する意思が本当にあるのか確かめたかったんだよ」
「余計なお世話です。……でもいい薬にはなりました。ありがとうございます」

