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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去

「いや、オレの方こそ素直になれなくて悪かったな。……結婚するとなると風子とは親戚になるのか」
「あはは、そうですね。これからもある意味付き合っていくことになりますね」
傍に戻ることはないけれど切っても切り離せない。
「どこまでいっても腐れ縁だな」
「ほんっと腐れてます」
二人で笑った時にやっと目が合った。
付き合っていた時に一緒に笑った時はズレを感じていたけど今は感じない。
やっと同じ気持ちで笑うことができて今日の天気のように心は清々しかった。
「なあ……。今日、二人っきりになれたチャンスにどうしてもおまえに言いたい事があったんだ。これだけは聞いて欲しい」
「聞いて欲しいこと?なんでしょうか」
笑い終えた颯太は今度は真剣な顔をして私のことを見てくる。
厳しいことを言ってきた時の表情とは違くて少しだけ瞳が潤んで見えた。

