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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去

「もちろん、幸せになってみせます」
「オレと出会ってくれて、大切なことを教えてくれて…ありがとう……」
「うん……」
ありがとう……。
颯太と付き合っていた頃の私が言っていた返事をして、そう言いたかったけど言葉を呑んだ。
飲みかけのミルクティーのように冷めてしまったら温まることはない。
でもこれからは元カレでも友達でもなく、新しい関係で再び仲を温めていくことができそうな気がした。
「はーあ、……やっと終わった。久しぶりにすげえ緊張した」
大きく息を吐いた颯太は肩の力を抜いて、握っていたコーヒーの缶をベンチの上に置いた。
「まさかオレまで失恋慰安旅行の主役になるとは思わなかったぞ」
「颯太が那砂さんと仲が良いのに私はびっくりしましたよ」

