この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去

「那砂さんは会社で世話になっているんだよ。強引なところはあるがいい人だ」
ポケットからスマホを取り出してその那砂に連絡を取ってくれているようだった。
きっとソラ先輩も一緒にいると思うからもうすぐ合流できるはず。
立ち上がってスカートについた汚れを手の平ではらい、スッと立ち上がる。
その時に近くを歩いていた老人を見掛けてふと思う。
「あの……、この際だから聞きたいんですけどソラ先輩はどうして父方の祖父母をあそこまで嫌うんでしょうか?」
「今更、塑羅緒の何を知りてえんだよ。オレよりおまえの方が知ってるだろ」
「そこまでは詳しく分からなくて……。お爺さんには会えませんでしたが、お婆さんに結婚を認めてもらえなかったですし……」

