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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去

残っていたコーヒーを一気に飲み干した颯太は溜め息をついて遠くを見た。
「オレも会ったことがあるが困ったババアだっただろ。自分の孫を自分の思い通りにしたがっている」
「薄々そんな感じはしました……」
結婚する彼女がいると言っているのにも関わらずお見合い相手まで決めていたし……。
「そのせいで塑羅緒は小さい頃にやりたくもねえ習い事を沢山させられて窮屈に過ごしていたんだ。
遊べたのは学校の休み時間と移動時間って聞いたかな。信じられねえだろ?」
「はい……。信じられないです」
理人さんの幼い弟と妹を見ていたからなんとなく想像がつく。
家に帰ってきたら友達と遊んだり、勉強から解放された遊ぶ時間も欲しいはずだ。
「自由がない上に期待されてプレッシャーを掛けられる。それに耐えられなくて逃げ出したって聞いた。だから今でも毛嫌いしているんじゃねえの」

