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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去



「簡単に和解できるような問題じゃなさそうですね……。それに小さい頃のソラ先輩を考えると悲しくなってきました」



「でもな、母親の方の祖父母と暮らして普通の生活もできたからあんな風にまともに育ったんだと思う。

しかも孫の中で一番と言っていいほど可愛がられていたからな。

それが羨ましくて、オレはガキの頃から何もかも塑羅緒だけには負けたくなかったんだ……」



通知音が鳴ったスマホを見た颯太が歩き出したから、私も急いで残ったミルクティーを飲んで後をついて行くことにした。


来た時よりも気持ちに余裕ができて都会の景色をきょろきょろと見渡しながら歩く。



「まっ、どうせ反対を押し切ってでも結婚するつもりだろうから塑羅緒に任せておけば大丈夫だろ。大船に乗ったつもりでいればいい」


そう言ってからどうしてなのか颯太は足をピタリと止めた。


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