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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去



見上げると透かさずソラ先輩が眉をひそめて那砂さんを睨んでいた。


「じょ…、冗談に決まってるでしょ。彼氏くんったら風子ちゃんのことになるとホント怖いんだから。あ、風子ちゃんのスマホは彼氏くんに渡しておいたわよ。
それじゃあ颯太くん、旅行の続きにでも――――」


颯太の肩を押して去って行こうとする那砂さんを私が引き止める。



「待ってください。私たちの貴重な時間を潰しておいてタダで帰るなんて言いませんよね?」


今まで散々色んなことをされたり、ソラ先輩に余命があると嘘を付かれていた怒りもほんの少しだけあるけど。



「わっ、分かったわよ!まったく、恐ろしいカップルね。颯太くんと二人で美味しいパンケーキでも奢るから許して」



「ソラ先輩、ここは奢ってもらいましょう。昼までの旅行計画を潰した報いを受けてもらわないと気が済みません」


「風子のお望みのままに」


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