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愛おしいキミに極甘な林檎を
第45章 親と過去

「食べ放題に連れ行ったら店側が大赤字になりそうだな」
「そこまでは食べれませんって。二人共、私をなんだと思っているんですか」
するとソラ先輩と颯太が顔を見合わせてから柔らかに笑って、私もつられて笑顔になる。
こうやって三人で一緒に笑い合える日が来るとは思っていなかった。
どちらかが気まずいままで、ぎくしゃくしていて、もつれた糸のような関係のまま大人になっていくんだと思っていた。
そもそも平和主義のソラ先輩は颯太と争いたくなかったはずだ。
私がいたせいでそうなってしまったけど、今笑っている姿はさっぱりしているように見えて嬉しかった。
三人で楽しく話をしているとトイレに行っていた那砂さんが戻ってきて驚いた顔をする。
「仲が良いわね。もっとギスギスしてるのかと思った。……そう言えば二人を見ていて気になっていたんだけど」

