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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛

それからまたしばらく塑羅緒さんと会わない日が続いた。
メッセージや電話もしていない。
きっと雨の日に会った時に「私もまた会いたい」っと言わなかったから迷惑だと思って連絡してこないんだろう。
真面目と言えば真面目。
でも本当に真面目だったらもう二度と会わないはず。
結婚してからも私が心の奥で隠している想いに似たようなものを感じていた。
「あれほどオムツを買って来てって言ったじゃないですか!また忘れたんですか」
「それは風子の方が時間があるから行ってこれるだろう。こっちは仕事で疲れているんだ。忘れてしまうこともある」
「私は車もないですし、子供を抱えてでは持ちきれません。前にも言いましたよね?どうして分かってくれないんですか!」
ある時、ほんの些細なことで夫と喧嘩した。
付き合う前はしたことがなかったのに、結婚してからぶつかることがあって何度か喧嘩をしている。
分かり合えないことが悔しくて、頭に血が上って泣いた私は子供を連れて家を出た。

