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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛



重なった手の温もりと間接キス。


トクンッと温かい鼓動が高鳴り、体の熱が上がった私の口元は緩んでいた。


付き合っていた頃に同じようなことをされた時は、ここまで緊張しなかったのに今は心臓が煩く
なる。


家庭にいる時は隠している想いが疼きだす。


でも結婚する前のように素直に喜んでいけないと思う気持ちもあった。



「これは付き合っている人同士がやることですってば」


だからこうして自分がしていることを言い訳する。



「ただ分けてもらっただけだよ」


若い学生でもないのにドキドキしながら、触れた潤いと艶のある唇が触れたフォークで残りのチーズケーキを食べた。


味が変わることがないのに一口目は特別な甘さを感じた。


もう一口食べようとすると調子が狂ったせいなのかケーキのかけらをスカートへこぼしてしまう。



「そんなことを言うからこぼしちゃったじゃないですか」


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