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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛

「ははっ、こぼすのは相変わらずだな」
紙ナプキンを見つけると先に塑羅緒さんが取り、私の太股の上へ手を伸ばしてくる。
落としてしまったチーズケーキのかけらを取られた後、指先を太股に滑らせてきてゾクリと感じた。
前戯をする時に私が感じていた力加減で触れてくるからわざとしているようにも思える。
普通だと擽ったいだけなのに秘部がじわりと熱くなる感覚が走った。
「あの……。取れましたでしょうか……」
「ちゃんと取ったから大丈夫だよ」
「そうですか。ありがとうございます……」
カウンターの端の席。壁の方を向いているから他人からはっきりと見られなし、椅子の背もたれにコートを掛けているから腰回りがどうなっているかも背後から知られることはない。
私だけ、左手の薬指に指輪をしていることも見えないと思う……。

