パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第50章 pallidus memoriae＊儚い恋と永久の愛

「風子が寒そうにしてるからこうしてるのに？」


「結婚している私にしてはいけないんです」


言葉ではそう言っていても、優しく包んでくれている手を振り払うことができなくて私は潤んできた目を細めていた。


再び抱きしめてくれる日がくるのなら、こんな風に離さないでいて欲しかった。



「話を聞いていて分かったけど結婚した風子が幸せそうで何よりだよ。風子の旦那さんなら幸せにしてあげることができるんじゃないかって思っていたから。

……これはあの時の判断が間違っていなかったってことなのかな？」




「どうなんでしょう。分かりません……」


否定したい自分を隠すように、今の夫と結婚したことを肯定している自分がいる。


子供のことも愛しているから存在を否定してしまうようでそう簡単に答えは出せない。