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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛

「今は俺のことをどう思ってる?」
「どうって……。私には家族がいますから」
「母親としてじゃなくて、ひとりの女としてどう思っているのかってことだよ。少しでも一緒にいてくれるってことは、悪いようには思ってないってことだよね」
耳の近くで聞こえてくる穏やかな声にドキドキする。
真っ白な雪が辺りにあるのも忘れてしまうほど、私を包んでくれている体は温かく感じた。
長い時間浸っていたいと思うほどに今でも心地良い。
でもそれと同時に浸っていてはいけないものだと分かっている。
体を放してもらうように動いた私は、塑羅緒さんと向き合ってからニッコリと笑う。
「……好きですよ。でも好きか、嫌いかって言った場合です。好きには色んな意味がありますから勘違いしないでくださいね」

