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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛



本当は私も強く抱きしめたい。


抱き寄せる手が離れるまで私は目を閉じながらいけない欲求を抑えて葛藤していた。


抑えることを意識していたら冷えた鼻がムズムズしてきた。


「くしゅんっ!」


我慢できなくてくしゃみをすると、私の体を抱く力が弱まって抜け出すチャンスがやって来る。


その隙に距離を取って後ろへ下がると丁度風が吹いてきて、雪が屋根から私の頭上へと落ちてきた。


まるで罰が当たったみたいだ……。



「大丈夫?」


「ううう……。冷たいです……」


頭は雪だらけで襟周りと首の間にも入り込んでいてひんやりとして不快だ。


「勝手に離れるからそうなるんだよ」


「だって……。その……」


「風邪を引いたら大変だね。……家がこの近くだからおいで。髪を乾かすだけなら大丈夫だろ?」


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