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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛

何度か断ったけど、ドライヤーを借りるくらいならっと言ってお邪魔することにした。
ついて行くと住んでいるところは私と同棲していた時と似たようなマンションだった。
部屋に入ると広くて無駄な物が何一つなくて寂しさを感じる。
私がいた頃はもっと物で溢れていて生活感のある部屋だったのに真逆だ。
「あのドライヤーは……」
他人の家をいつまでもジロジロと見るのも悪いと思い、催促して目的の物を貸してもらう。
濡れた髪と湿った服を乾かしている頃、寒かった部屋の温度がエアコンの暖房のおかげで適温へと上がっていく。
寒いところにいたから気持ちが良くて、なんだか眠くなってきてうとうとする。
「泊まっていってもいいよ」

