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第50章 pallidus memoriae＊儚い恋と永久の愛

「そうだね……。ごめん……」


私の言葉が伝わったのか塑羅緒さんはやるせない顔をしてそう言った。


その姿を見てホッとする半面、心の中では愛している人を拒否してしまったことでズキッと傷ついていた。

いつまで経っても私は素直じゃない。可愛くない女だ。



被さっていた体が離れて私も起き上がると、塑羅緒さんは俯いて切なさそうな笑みを浮かべる。


「本当は風子の夫には、一時的に支えて欲しいと頼んだだけなんだ。事が落ち着いたら必ず迎えに行くって約束していたのに、奪って結婚して子供を作るなんて…笑えないよ……」



「えっ……。私は夫にそんなことを一言も聞いてません……」


「こう言った事は本人に言えるわけがないだろ」