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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛



ダメだ。こんなことをするのは、人としてダメなのに……。


瞼を閉じている時に心の中では最後の葛藤が私を襲う。


目の前の彼を突き放すのも、夫と子供を裏切ってしまう自分も嫌で唇が震えている。



最後までキスをする決意できなかったのに、湿った唇がやんわりと重なると愛し合っていた過去を思い出してあの時の快感に少しずつ呑み込まれていく。



ああ……、気持ちいい。


このキスが大好きだった……。



角度を変えて熱い唇を何度か強引に重ねられる。


離れるのを惜しむようにゆっくりとしてくるそのキスは私の理性を消して背徳感へと変えていた。



「大丈夫……。この罪は俺も一緒に背負うから」



結局、私は何度もアナタを好きになって、アナタのものになってしまう。


これ以上、踏み込んではいけないと分かっていても……。


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