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愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛

昨日のダブルデートをしてからも必要最低限ことしか話してもらえなかったから嬉しい。
「いいえ、今起きたところなので。ソラ先輩も随分早起きですね。まだ午前四時半で暗いですし、日も昇っていませんよ」
喜んで話すと私を抱き寄せているソラ先輩の腕の力が強くなる。
背を向けているからどんな表情をしてかは分からない。
でも昨日よりは離れていた距離が近くなっていた気がした。
「とても怖い夢を見てハッとして目が覚めたんだ」
「怖い夢……?どんな夢だったんですか?」
「風子は他の男と結婚して家庭を持っていたんだ。でも俺がその幸せを壊そうとする夢。
子供ができたと知って風子のことを諦めようとするんだけど、俺はどうしても好きで諦めきれなくて手を出してしまう。皆が不幸になる夢だった……」

