この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第50章 pallidus memoriae*儚い恋と永久の愛

「ずっと風子のことで悩んでいたよ。無関心になったから避けていたわけじゃないんだ」
夢ではもう一度愛し合おうとしていたけど、現実は仲直りしていないままだった。
無関心でないという事は私にうんざりしたからか、嫌いになったかのどちらか。
おまけに避けていたと言っているから、ソラ先輩はそうしていたつもりだったんだろう。
最低限のことを話してくれていたのは優しさだったんだ……。
夢のせいで忘れていた不安が一気に胸の中に押し寄せる。
「ねえ、風子」
これからどんなことを言われるのか怖くて身構えてしまう。
「……なんでしょう」
「俺のことを嫌いになった?」
「嫌いになんかなりませんよ。今でも大好きです。……どうしてそんなに悲しい事を聞くんですか?」

