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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人


事情を話せばソラ先輩なら分かってくれるはず……。


翌日の朝。ご飯を食べた後に重たい口を開くことにした。


「ちょっと相談したいことがあるんです。だから今日帰ってきたら時間をいただけないでしょうか……」


湯気が立っているカフェオレの入ったマグカップを置いてから、ソラ先輩の顔色を伺うように恐る恐る聞いてみる。



「懐かしいな。高校生の時も時間をくださいってお願いしてきたことがあったよね。今すぐ話してもいいんだよ?」


若かりし頃と変わらぬ爽やかな笑顔と優しさが身にしみて余計に罪悪感が強くなった。



「朝は時間もないですし、ゆっくりと話したいので」


「うん。分かった。今日はなるべく早く帰るね」


この調子なら穏やかに話し合いができそうで一先ず安心した。


大好きな人のおかげで心が和らいでいたのも束の間、会社に行って課長と顔を合わせると昨日のことを思い出してその笑顔が消える。


「はい、課長。できました。次はこっちの書類をやっておきますので」


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