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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

どんぐりの背比べからどうやって抜け出そうか考えていると、課長の携帯電話の着信音が鳴った。
仕事中だからプライベートに関わる内容を落ち着いて話せるわけがない。
「……はい、花城です。いつもお世話になっております。……その件に関しましては――――」
これ以上ここにいても埒が明かないと思った私は、電話をしている課長を置いて会議室を出た。
会社に勤めてから仲良く仕事をしてきたけど、喧嘩をするのは初めてかもしれない。
でもあまり初めてな感じがしないのは、夢の中で夫となった課長と喧嘩をしたからなんだと思う。
日常的に関わらないのなら別にこのままでいいけど、スムーズに仕事をしてくためには今までのように良好な関係を築いていた方が楽だ。
私は課長にどうされたら許してあげることができるんだろう……。

