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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

その内容が気になって買いたいと思っていたお菓子を見る余裕さえ出てこない。
話が終わったのは十分くらい経った後。
ソラ先輩は課長に会釈をしてから別れて私を迎えに来る。
「おまたせ。買い出しに行くんだよね?」
話してきたことは楽しい話題ではなさそうなのに、何もなかったような優しい笑みを見せる。
買い物に行く途中、どんな話をしたのか聞いてもはぐらかされて教えてもらえなかった。
でも話せないということは私が関わっているということ。
帰ってから寄せ鍋を作って食べて温まっても不安な気持ちは変わらない。
いっそのこと、火ノ浦さんと会ったことを話したのか課長にメッセージを送ってみようかな……。
ソファに座ってスマホの画面を見て悩んでいると、ソラ先輩が隣にやって来て私は急いで電源を消した。
「ところで今朝言っていた相談したいことってなに?」
相談したかったことは今悩んでいることと繋がっている。
ここで思い切って話せば、課長と話し合っていたことも教えてくれるかな……。

