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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

私が寝坊しただけ?、っと思ってベッドから起きて姿を探す。
でも部屋中探してもソラ先輩の姿が見えなくて、私が出す物音しか聞こえない。
他に違うことと言えば、ダイニングテーブルの上に置手紙と封筒があること。
寝る前には何も置かれていなかったから、私が寝ている間にソラ先輩が準備したんだと思う。
封筒にはお金が入っていて、手紙は二つ折りにしてあった。
見覚えのある光景にブルッと寒気がして体中の血の気が引く。
震えた手でその手紙を開いて読むと、ソラ先輩が書いたメッセージがあった。
「どうして……、っ…、ソラせんぱい……、こんなの…いや……」
その内容を完璧に理解する前に私は涙を流してその場へと座り込んだ。
私が約束を二度も破ったから、逃げ切れず、避けられなかったから悪かった。
見えないからこそ不安が大きくなって、ただでさえ悩んでいたのに追い打ちをかけてしまったのかもしれない。
ごめんなさい……、ソラ先輩。

