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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「…………」
守って欲しい、支えて欲しいと頼んだソラ先輩は課長に私を託したということなんだろうか。
この前セックスを断ってしまったし、抱きつかれたと言ったからまさか浮気してると思われたのかな……。
頭の中はソラ先輩のことでいっぱいで、何も話さず課長の一歩後ろを歩いて会社へ向かった。足取りはかなり重い。
会社に着いてからは何とか普段どおりに仕事をこなす。
暫くして手が空き、お茶を飲みに給湯室へ行くと課長と陸田さんが話していた。
気まずくて一旦戻ろうとすると、私の苗字を言っていたのが聞こえてきてドア付近で足を止める。
「今朝、乙羽さんと一緒に会社に来たとこ見ましたよ。まさか昨晩ついに寝取ったんですか?」
「途中でたまたま会ったから一緒に来ただけだ。……どうして陸田はそんなにオレと乙羽のことが気になるんだ?自分が結婚したから浮かれてるのか?」

