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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「そりゃあ、今度は課長と乙羽さんには幸せになってもらいたいからですよ。お似合いじゃないですか。
乙羽さんには彼氏がいるって聞きましたけど、まだ結婚してませんし。社内恋愛での結婚も悪くないですよ」
「…………」
「って、すみません。課長は元カノと社内恋愛してましたね」
私と課長の間に今まであったことを知らないからこそ陸田さんはなんでも言えるんだろう。
自分が幸せだから私たちをくっつけようとするなんていらぬお節介だ。
しかも終わったことを掘り返されているようで複雑な気持ちになる。
私はもう……、課長との婚姻届を破いたのに……。
最後まで話を聞かずに視線を下ろしたまま自分のデスクへと戻った。
デスクの上に置いてあるカレンダーを見るとクリスマスまで後三日。
まだプレゼントを買っていないから準備は終わっていない。

