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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

やっと一緒に過ごせると思っていたのに、今年はどうなるんだろう……。
溜息をするのを抑えて次の仕事に取り掛かり始めた時、ふと思い出した。
ソラ先輩と見た同じ夢のことを……。
朝起きたらいなくて、置手紙が置いてあって、外に出ると誰かが私を待っていた。
時間が経つにつれて段々記憶が薄れてきたけど今、同じことが起きている気がしてゾクリとした。
まさか……、あれは本当に予知夢……?
そうだとしたら笑えない。待っているのは不倫をする未来だ。
夢の中でソラ先輩が支えて欲しいと相手の男に頼んでから付き合うまで私は何をしていたんだろう。
結婚して、子供が生まれてからソラ先輩と再会したことは覚えているけど、それ以外は何があったのか忘れてしまった。
でも間違いなく分かるのは……、このままだとソラ先輩との婚約が破棄されてしまうという事。

