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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

それだけは絶対に避けたい。
これ以上忘れないようにまだ覚えている夢の内容を手帳に記しておくことにした。
同じ夢を見たのなら気づくはずなのにソラ先輩は忘れてしまったのかな……。
それとも見た夢が同じだったのは私が結婚してから……?
詳しく聞いてないから答えは分からないし、どうなるかも自分次第だ。
仕事が終わったら連絡して、会ってもう一度謝ろう。
何がなんでもきちんと話し合う機会を作り、浮気はしていないと誤解を解いて、楽しいクリスマスを過ごし、入籍の日を無事に迎える。
計画を練って少しだけ希望が見えてくると泣きそうになっていた目から涙が消えてきた。
とにかくすべては仕事が終わってから――――
残業をしないように仕事に打ち込んでいる時、陸田さんが私のデスクに椅子ごと近づいてくる。
「ねぇ、乙羽さん。どうしても今日お願いしたいことがあるんだけどいいかなー?」
「なんでしょうか?今日は残業はしたくないんですけど……」

