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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

「乙羽の側にいる……」
視線を私がいる反対の方へと逸らして気恥ずかしそうに言う課長。
女友達とご飯に行ったりして上手くいっているみたいだし、私と一緒にいるのは意志に反していそうだ。
「好きな人の側にいていいんですよ。だから私の女友達の方を優先してください」
「何を言っているんだ?あの子とは何もない。ただ話すだけの友達だ」
「異性なんですし、そんなことはありません!あの子は課長のことが好きなんですよ?」
「彼女がそんなことを言っていたのか?」
「好きとまではまだ聞いてませんでしたけど……」
「だったら、乙羽のやろうとしていることは陸田と同じいらぬお節介というものだ」
「私はまだ何もしてませんよ」
「あの~……お客様、結婚指輪をお探しでしょうか?」
「「違います」」
店員が話し掛けてきたから返事をすると課長と同時に同じ言葉を話していた。

