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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人



気になって駐車場を見に行ってみるとソラ先輩の乗っている車はなかった。


前は他の女のところに行っているとか、疑ってしまったこともあるけど今はそう思えない。



一緒に生活していて分かったけど、悩む時はいつもひとりで悩んでいたから今だってきっと一人なんだと思う。


だから寂しいけれど、実家に帰らず私も一人でソラ先輩を待つことにした。



本当は電話をして今すぐ話し合いたい。


でもまだソラ先輩の気持ちが変わってないのなら、電話を掛けて話しても昨日と何も変わらない気がして怖くて行動を起こせなかった。



「逃げるなんてずるい……。早く帰ってきて……」


何も手がつかず、晩御飯も喉が通らなくて、風呂に入るまで着替えさえ忘れていた。


帰って来るまで待っていたかったけど、前日あまり眠れなかったせいでいつもより早く眠ってしまった。




それから目を覚ましてスマホを見ると午前十時を過ぎていた。


今日も隣にソラ先輩はいない。


でも洗面所に行ってみると昨日私が使わなかった洗面台に水滴があるから、どうやら私が寝ている間に帰ってきたらしい。



それでもいないってことは、まだ怒っているのかな……。


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