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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

他の男に触られるのが嫌だと話してくれた時もあったし、積もりに積もった不満があってもおかしくない。
何もかも隙のある私が悪いんだから、ほとぼりが冷めるまで待つことにする。
とりあえず、せっかくひとりで行動できる時間ができたことだし、クリスマスプレゼントでも買いに行こう。
家でじっとしているよりは買い物している方が気が楽だ……。
昨日、陸田さんと課長と三人で行ったショッピングモールにまた足を運んで店を見て回る。
今年は何をプレゼントしよう。
腕時計、ネクタイ、バッグ、名刺入れ……。
毎年やってくるイベントで何かプレゼントしていたからそろそろネタが尽きてきた。
明日はクリスマスイブというだけあって人が多い。
しかもデートをしているカップルが多く見られる。
手を繋いだり、彼女の方が腕に絡みついていたり幸せそうだ。
どうせこの後、ホテルに行ってやることをやるんだろう。
喧嘩中でひとりでいるせいで今は独身のポディションで他のカップルを見てしまう。
彼氏と仲良さそうにデートをしている女が羨ましく思えてくる。
そんなことを思いながら人込みを搔き分けて歩いていると急に誰かに肩を叩かれて驚く。
「風子ちゃんじゃな~い!アタシよ、アタシ!」

