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愛おしいキミに極甘な林檎を
第52章 溺愛カレシと濃密な夜

「なんでもありません。ちょっと羨ましくなっただけです」
もう少しで昼休みが終わるため、別れを惜しみながら話している陸田さんと鈴川さんを置いて私は歩き出した。
するとすぐに課長がついてきて私の顔を覗いてきた。
「陸田たちのような夫婦がいいのか?でも付き合い始めの頃のままではずっといれないだろう。付き合いが長くなると家族のような存在になるんだからな」
「課長は現実主義者ですね。家族のようになってもときめきが欲しいものなんですよ」
「乙羽はロマンチストだな。男は安らぎを求めるものだぞ」
「なるほど、安らぎですか……。勉強になりました」
「……オレも勉強になった」
意見はぶつかるものの互いに認め合っているところがおかしく思えてきて、二人で笑っていると陸田さんが走って追いついてきた。
「課長と乙羽さん、待ってくださいよー。何を話して笑っていたんですか?」

