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愛おしいキミに極甘な林檎を
第52章 溺愛カレシと濃密な夜

「いいや、塑羅緒くんとした約束くらい守らせてくれ」
「分かりました。お願いしますね」
私も急いで帰る準備をして一緒に会社を出ることにした。
玄関に向かって廊下を歩いている時、人がいない隙を狙って仕事以外の話を持ち掛ける。
「彼氏から聞いたんですけど、本当に私の恋人のフリをするつもりなんですか?」
「ああ。そのつもりだ」
「嫌だったら断っていいんですよ。こういう事は律儀に約束を守らなくてもいいと思います。話しにくいなら私から言っておきますので」
「帰りを待っている人もいないから、送るくらいどうってことない。それにずっと続けるわけではないからな」
「いつまで頼まれているんですか?」
「どうやら塑羅緒くんの上司が転勤するらしいからそれまでのようだ。今はこの辺りに住んでいるらしいから乙羽と会わせたくないんだろう。
無事にその期間が過ぎたら、オレが乙羽を抱き寄せたことも目を瞑ってくれるそうだ」

