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愛おしいキミに極甘な林檎を
第52章 溺愛カレシと濃密な夜

「実は……、温泉ホテルでやるみたいなんです。だから帰りは昼前になるかと……」
「えっ……、泊まり!?」
急に仰天したような声を上げたソラ先輩は手に持っていたテレビのリモコンを床に落としていた。
タイミングを考えると、右手が痺れているから力が抜けたわけではなさそうだ。
「はい。今年はそうみたいなんです。去年と同じ飲み会だけで済むと思ったので出席にしてましたけど、やっぱり断った方がいいですかね」
「いや……、その……仕事として行くんだろうから仕方ないと思うし。会社の人とのコミュニケーションは仕事をする上で大事だと思うからね……」
明らかに動揺しながらそう言って落としたリモコンを拾っていたけれど、もう一度カシャンッと床に落とす。
こんな話を聞かせてしまったせいで今日は余計に疲れてしまったようだ。
代わりに私がリモコンを拾い、テーブルに置いてからソラ先輩のことを見上げる。
「大丈夫ですか?こんな話をしてしまってすみません。嫌でしたら無理をしなくていいですからね」

