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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆

小さく微笑んだソラ先輩は両手に持っていたマグカップをテーブルに置いた。
その時に匂いに気づいて、中身がココアだと知った。
「分かったよ。……行きたい時は言ってね」
キスをされてから手首を掴まれて、握っていたスマホが床にカシャンッと落ちる。
もう見るなと言っているようにスマホを持っていた方だけ握る力が強かった。
私が課長に送ろうとしていたメッセージを見られてないのか、どこまで見られたのかは分からない。
大晦日。朝に乙羽家の母から泊りに来ないかと電話で誘われて、私の実家で過ごすことになった。
もちろんソラ先輩も一緒だ。
実家に行くと乙羽家の両親が温かく迎えてくれた。
この様子だとネット上で噂になっている書き込みのことは知らないようだった。
「うふふ。去年は風子ちゃんがお爺さんのところに行っていたから、今年の大晦日は賑やかね。
来年は赤ちゃんができてもっと賑やかになったりして。でもまだ産まれてないかしら」

