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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆



期待を寄せているように話す母は、もう孫を催促しているのだろうか……。


妊娠している可能性があるこの状況で言われると苦笑いしかできない。



台所に立ち、晩御飯で使った食器を布巾で拭いていると隣にいる母ににっこりと微笑まれる。


「風子ちゃんは可愛いし、塑羅緒くんはカッコいいからどっちの性別の子が生まれても楽しみねぇ」


「あはは……。お母さん、気が早いって……」


「結婚したら時間の流れはもっとあっという間よ。入籍する日も近づいてきているし。両家の顔合わせの時は、風子ちゃんに恥ずかしい思いをさせないようにお母さんは綺麗な格好で行くからね!」


色々と複雑な問題を抱えているせいで健気な母の言葉が胸に突き刺さる。



「そう言えば顔合わせの日!塑羅緒くん、ご両親が都合のいい日はいつになるかしら?」


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