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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆



リビングで父の話を聞かされていたソラ先輩に母が話し掛けると、爽やかな笑みのままこちらに顔を向ける。


「大事なことを話さないでいてすみませんでした。来月の下旬に大安の日曜日がありますから、その日はどうでしょうかとのことです」


ソラ先輩は祖父母から結婚を反対されていたことを私の両親に一切伝えなかった。


寧ろ、結婚に向けて何事もなく進んでいるように話していた。




それからあっという間に時間が過ぎて年を越した。


借金、出会い、お見合い、婚約、再会、病気、家族、プロポーズ……。


色んなことがあったからとても長い一年だったように感じる。



でも今は最愛のソラ先輩が元気で隣にいてくれるから結果的に幸せだった。


「新年が始まったわね。風子ちゃんと塑羅緒くん。近くの神社に初詣に行ってきたら?」


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