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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆

「えっ!?私は知り合いに会いたくないんだけど……」
「田舎だから大丈夫よ~。あそこは毎年おじいちゃんとおばあちゃんくらいしか行かないから」
年齢層が高いならソラ先輩と二人で行っても大丈夫か……。
初詣に行くと決めた私たちは暗い夜道を歩いて向かう。
その神社はここから歩いて十分くらいの距離だった。
雪は降っていないけれど、息が白くなるほど寒い。
指先が冷えてきたから隣を歩くソラ先輩の手を握ると、ぎゅっと握り返されてコートのポケットに入れられる。
ポケットの中は二人の体温でとても暖かくて 自然と笑顔が浮かんでくる。
「はっ!?そう言えば今年は喪中でした。鳥居をくぐってはいけないんですよね。ソラ先輩だけ行ってきてください」
「分かった。参拝してくるよ」
「行ってらっしゃいです。私は鳥居の近くで待ってますね」

