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愛おしいキミに極甘な林檎を
第54章 想いと青春の絆



初詣と言えば、手を合わせてた時に願い事を唱えるはずだ。


甘酒を少しずつ飲みながら気になるソラ先輩のお願いに耳を傾ける。


少しドキドキしながら同じものを飲んでいるソラ先輩を見つめていると幸せそうに微笑まれた。



「結婚式が上手くいきますようにって。風子の分もお願いしてきたよ」


「……私の分までありがとうございます」


何があってもどこまでも変わらない甘さに目頭が熱くなった。


もし参拝できていたのなら、私もソラ先輩と一緒の未来を願うと思う。


神様の前で祈ることはできないけれど、心の中でそっと祈って神社を後にした。



「今年もよろしくね、風子」


「はい。こちらこそよろしくお願いします」


帰り道も手を繋いで他愛のない話をしながら歩いていると、近くに公園があったことに気付く。


まだ眠くないから、そこに寄って公園内を歩くことにした。



深夜という事もあって暗くて誰もいないように見えたけど、いきなりソラ先輩が静かにするように私に伝えてくる。


何があるのかと思って耳を澄ませてみると、信じられない声が聞こえてきた。


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