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愛おしいキミに極甘な林檎を
第56章 あなたを愛しているから……

「どうしたの?」
私の不安さえも包んでくれるような優しい声が背後から聞こえてきて、それを噛み締めるように目を閉じてから答える。
「……いいえ、もう少しこうしていたいなって思って」
くるりとソラ先輩の方に体の向きを変えてから胸元に顔を埋めた。
触れ合える幸せを感じている時は抱えていた悩みさえも軽くなって楽になれた。
どんな自分でも受け入れてもらえるこの場所に、今度は償いという見えない鎖で繋がれている。
永遠とも言える償い。
この鎖は誰にも壊すことはできない。
私がソラ先輩に縛られている限り、誰にも……――――
それから何の進展もなく、二月になった。
責任を取って欲しいと話した日以来、課長と一緒に帰っても仕事の話をするだけ。
「昨日も見たぞ!いつも課長と帰ってるだろぉー……」

