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愛おしいキミに極甘な林檎を
第56章 あなたを愛しているから……

距離をとってピタリと足を止めると、私のパンプスのヒールでコツコツと音が響いていた会議室が静かになった。
初恋の人。
その言葉は、ソラ先輩が初めて好きになった人の存在を知ってから心に大きく刻み込まれた。
今でもその言葉が胸に引っ掛かっている。
「どんな学校生活を送っていたのかまでは思い出せませんでしたから。だからいきなり初恋の人だと言われても実感が湧かなくて。
……私は潮崎さんに告白でもしたんですかね?」
「はぁ!?こっ、告白……!?」
「もしかして、私たちは付き合っていたとか?そして恋人同士だったのに自然消滅した」
「っ……、それは……」
「ないですよね。それだけはなんとなく分かります」
「まぁ……、付き合ってはいなかった。……でも風子か課長と歩いているところを見てると嫌なんだよ!
仕事をしていても、どうしてもいやらしい関係に見えるというか……」

