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愛おしいキミに極甘な林檎を
第56章 あなたを愛しているから……



「つまり、私が先に幸せになるのが嫌だってことですかね?」



「そういう事じゃなくて……。でも風子には彼氏がいるんだよな。それで課長とここまで仲がいいんだから、これって……」


「さあ、仕事に戻りましょうね。あまりにも遅いとまた怒られちゃいますよ」


立ち尽くしている潮崎さんを避けてドアの前まで歩き、余った書類とお茶を持って会議室の電気を消した。


どうしてなのか待っていてもすぐに来ないから、腕時計で時間を確認する余裕さえあった。



「彼氏が大空先生に似ていて、浮気相手もいるんだから……風子はやっぱりあの噂の婚約者だろ」


すぐにこの会議室から出ない理由は驚いてしまったからみたいだった。


バレてしまったことに少し動揺したけど、真面目な表情から顔色を変えずに答える。


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