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愛おしいキミに極甘な林檎を
第56章 あなたを愛しているから……

「そうですけど、今更それがどうしたんですか?」
いつまで経っても来ない潮崎さんを置いて先に会議室を出る。
廊下を歩いている時、雪が降り続く外を窓から眺めて今は離れた場所にいる人を想って前を向いた。
午後になって少し経った後、外に出ていた課長が頭に雪をのせて帰ってくる。
湯気の立つ温かいコーヒーを作り、課長のデスクに置いてタオルを渡した。
「お疲れ様です。雪が降ってますし、外は寒かったでしょう?」
「ありがとう、乙羽。潮崎と二人で大丈夫だったか?」
「はい。このくらい慣れたものですから」
「頼りになる。だが、パッと見て潮崎が落ち込んでいるようだが……」
デスクに戻ってから潮崎さんは肩を落としてどよんとしている。
分かりやすい人なんだろうけど、ここまで落ち込む理由が分からない私は戻ってきてからも気にせず仕事をして今に至る。
潮崎さんの様子を少し離れたところで見ている時、課長が口元を隠しながら私の耳の側に近づいてきた。
「告白されたのか?」

